Watch

Watch

見る

上白石萌歌がもう一度観たい映画と、その理由。『花様年華』

観るたびに新たな発見があったり、人生の変化に気づいたり。名作とは、何度観ても、また観たいと思わせてくれる作品のことかもしれません。映画を愛する上白石さんが繰り返し観る、人生の伴走者ともいうべき一本とはどんな映画なのでしょうか?

photo: Kodai Kobayashi / text: Kohei Hara / hair&make: Miho Matsuda / styling: Ami Michihata

連載一覧へ

理解できない美しさがあって
もっと知りたくなるから

上白石萌歌がもう一度観たい映画『花様年華』
『花様年華』
1962年、香港。新聞社の編集者であるチャウと商社で秘書として働くチャンは、同じ日にアパートに引っ越してくる。いつからか互いのパートナーが不倫関係にあることに気づいた2人は、悲しみを共有しながら逢瀬を重ねていく。'00香/監督:ウォン・カーウァイ。
Everett Collection/AFLO

私は割と沼にハマりやすいタイプで、好きな映画に出会ったらとことん繰り返し観てしまうんです。『花様年華』は5、6回観ているんですけど、実は今年の初めくらいに出会った映画で。ウォン・カーウァイ監督の作品には独特の美学があって、一度観ただけでは理解できない部分が多くある。だからこそもっと知りたくなります。

お互い結婚相手に浮気されてしまった主人公2人が徐々に親密になっていくあの関係性も、「恋」と呼んでいいのかわからない、絶妙な男女の絆が垣間見えて。それを役者のお2人が目線や細かい仕草で丁寧に表現されているんです。

今年の夏にこの映画が4K版で上映されると知った時には超興奮しました!かなり気合が入って、映画館に行く予定を立てた1週間前に配信で1回観て、直前にももう1回観て。スクリーンでこそ感じられる要素をなるべく増やしたいと思ったので、物語に対しての疑問が湧かないように自分の解釈を固めてから臨んだんです。そしたらもう……主演のトニー・レオンさんがスクリーンに大きく映っただけで「はっ……」って息が止まっちゃいました(笑)。

チャウとチャンが階段ですれ違うスローモーションのシーンが特に好きで、日常生活でもゆっくり動いてみたり、真似しちゃうくらい。映画内に流れる音楽でプレイリストを作って、聴きながら生活を送ったりもしています。こんなふうに繰り返し観たくなるような映画を私も作れたらいいなって、憧れを抱きながら。

上白石萌歌
上白石さんの手元にあるグラスはチャンへのオマージュ。劇中では彼女が何度も水の入ったグラスを持つシーンが映される。
ニットトップス 85,800円、ドレス 176,000円、スカート 121,000円(以上Plan C/パラグラフ TEL:03-5734-1247)

連載一覧へ