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着る

モードとスケートの相関図。スケートカルチャーに魅了されるクリエイター達

2016年1月のパリコレ、ロシアのスケーターをインスピレーション源にするゴーシャ・ルブチンスキーのショーのフロントローに、スケーターキッズに紛れ、コム デ ギャルソンのデザイナーである川久保玲の姿があった。一方、新作が発表されるたび、長蛇の列ができるシュプリームもまたコム デ ギャルソンやブルックス ブラザーズなどとコラボレーションし、スケートカルチャーに新たな文脈を形成する。今は、スケートとモードがクロスオーバーする時代だ。

illustration: Yoshimi Hatori / text: Dean Kissick / edit: kontakt

スケートカルチャーに魅了される
モードに転換期をもたらす者たち

スケートボードは、いつでもクールとされるものの一つであり、そして国や年代に関係なく、世界中の若者たちを引きつける。もちろんファッションデザイナーもその一人。

デッキに施されたアートワークやスケーターたちが着る服、それにスケーター自身のライフスタイルそのものなど、その魅力もさまざまだ。

数年前、ジョナサン・アンダーソンのスタジオを訪れた時、彼のデスク周りには、ハーモニー・コリンが手がけたシュプリームのスケートボードデッキが飾られていた。
ハーモニーはラリー・クラークによる『キッズ』の脚本を書いた人物。白のTシャツにバギーパンツを穿いた90年代のニューヨークのスケーターたちの日常を赤裸々に映像化した。

この映画で見ることのできるスケーターのDNAは今、ジェームズ・ジャビアのシュプリームと、プロスケーターのジェイソン・ディルが手がけるファッキング オウサムに受け継がれているが、スタイル自体は大きく変化した。

ファッキング オウサムは、ジェイソン自身がセンタークリースがぴしっと入ったスラックスにタンクトップでスケートするように、シャツのボタンを一番上まで留めたり、時にはスーツでスケートをしたりというスタイルを提案。スケーターファッションもさまざまな方向へ進化を遂げているのである。

流行図鑑 相関図

一方的にデザイナーたちがスケートカルチャーを愛しているだけでなく、スケーターたちも、自身が着るものにこだわりを持っている。ロンドンを拠点にするスケートボードブランドであるパレスのデザイナー、レブ・タンジュはかつてこう話していた。

「コム デ ギャルソンのシャツを着てスケートするのが俺のスタイルだった。バイトの給料をもらうと、すぐにドーバー ストリート マーケットに行って、ほかの連中が着ていない上質なギャルソンのシャツを買って、ボロボロになるまで着るんだ」。

このレブの一方的だったギャルソン愛も今では、ドーバー ストリート マーケットの10周年でカプセルコレクションを発表するほどの関係性になった。
こうしたことが当たり前のようになりつつある。ストリートが牽引するモードの時代が到来。スケートカルチャーの進出は序章にすぎない。