沖縄の盆踊りをモチーフにした竹細工の人形
竹細工が盛んだった沖縄の北谷町(ちゃたんちょう)。かつて沖縄では、竹細工は生活必需品で、「バーキ」と呼ばれる竹編みカゴに農作物や小物を入れて、頭の上に載せて運んでいました。ところが、戦後はプラスチック製品に置き換えられて竹細工は下火となってしまい、現在では〈北谷竹細工〉が沖縄でただ一つ残る竹細工工房となりました。
材料となる竹林も少なくなり、現在は竹細工工房で自ら竹を植えて、栽培しているのだとか。そんな北谷竹細工が、カゴなどの制作の合間に作っているのが、竹の人形。写真の人形は「エイサー」と呼ばれる、沖縄で旧盆恒例の念仏踊りを舞う姿がモチーフです。
人形の着ている服は、王府の貢布の対象になっていなかったことから自由な意匠を作ることができた「知花花織(ちばなはなおり)」と呼ばれる織物で、祭事や奉納舞踊の晴れ着となってきたものです。