鶴ならぬ、蟹!?の恩返しが伝わる古刹
京都の木津川にある蟹満寺(かにまんじ)。この風変わりな寺号は「蟹の恩返し」という逸話が由来になっています。その昔、このあたりに住む娘が、近所で蟹をいじめる村人に出会い、魚の干物と蟹を交換し、逃してやります。
数日後、今度は父親が大蛇に呑まれそうなカエルに出会い、「カエルを放せば、娘をお前の嫁にやろう」と約束してしまいます。娘は落ち込む父親をなぐさめ、観音菩薩に祈り続けました。その晩、大蛇は娘を迎えに来て暴れますが、そこに観音菩薩が現れ「恐れることはない」と諭し、消えました。
外に出てみると、数万の蟹の亡骸と、そのハサミで刻まれた大蛇の亡骸が横たわっていたそうです。この蟹と蛇の亡骸を弔うためにできたのが蟹満寺。蟹は頑丈な甲羅を持ち、身を守ってくれると信じられ、写真の蟹の土鈴をはじめ、様々な蟹の縁起物が頒布されています。