1000年以上続く鬼祭の厄除け面
愛知県豊橋市の安久美神戸(あくみかんべ)神明社では、毎年2月10日・11日に『豊橋鬼祭』が開かれます。鎌倉時代から室町時代に流行した田楽に建国神話を取り入れた神事で、1000年以上にわたり古くからの形のまま伝えられていることから、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
2日間にわたって神楽や田楽など、さまざまな行事が行われますが、中でも有名なのが「天狗と赤鬼のからかい」です。荒神の赤鬼と武神の天狗が秘術を尽くして戦い、敗れた赤鬼は償いのために痰切り飴と小麦粉を撒きながら逃げ去ります。このとき、参拝客は粉を浴び、露店で売られている痰切り飴を食べると無病息災の御利益があるといわれています。
そして、そんなお祭りの露店には、飴と並んでこの張り子の鬼面も売られており、面を持ち帰り、悪霊退散を祈ります。