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シンガーソングライター・mei eharaが語るジャズ。遊び心の中にある巧みな感情表現

今、ミュージシャンが一番夢中な音楽、それはジャズかもしれない。ロック、ヒップホップ、R&B……音楽家は、その魅力をどう捉えているのだろうか。シンガーソングライター・mei eharaにおすすめの3枚とともに大いに語ってもらった。

photo: Wakana Baba / text: Shunsuke Kamigaito

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遊び心の中にある巧みな感情表現

小さい頃から大好きだったチャップリンの無声映画。そこで使われているラグタイムの音楽を掘り下げていくうちにジャズも聴くようになりました。個人的にはテクニカルで洗練された作品よりも、遊び心のある親しみやすい演奏に惹かれます。

その中でさりげなく感情の機微が表現される瞬間にグッときますね。私は時々、自分が音楽を作る意味について深く考え込んでしまうことがあるんです。でもジャズプレーヤーたちは、あまり難しく考えず自分らしさを出すことに集中しているように思えて。自分の音楽にもその空気感を取り込みたいと思いながら聴いています。

mei eharaが選ぶ、おすすめの3枚

Q1:オールタイムベストは?

『Solo Monk』Thelonious Monk

セロニアス・モンクによる無伴奏のピアノソロ作品。モンクのピアノは乱暴な感があったりミスのようなタッチがあったりと、カチッとしすぎていないところが好きなんです。このアルバムはソロなので、その個性がより際立って感じられます。デスクワークの邪魔にならないシンプルさも気に入ってますね。

Q2:昨年一番聴いたのは?

『Another Time』Meredith D'Ambrosio

米・ボストン出身のジャズシンガー、メレディス・ダンブロッシオのピアノ弾き語りアルバム。内容としてはスタンダードのカバーが中心。歌はもちろんうまいのですが、いい意味でシンガーらしくない素朴な歌声に惹きつけられます。民謡にも通じるような親しみやすさがあって、何度も聴きたくなる一枚です。

Q3:これからジャズを聴く人へのおすすめは?

『Blossom Dearie Sings』Blossom Dearie

個性豊かなウィスパーボイスが魅力のブロッサム・ディアリー。ピアノも歌も難しいことをしているようには思えないのに、よく聴くと独特の起伏があって彼女にしか出せない魅力が溢れています。歌っているのはジャズの楽曲ですがポップスの要素も感じられ、多くの人の印象に残りやすい作品だと思います。

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