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【保存版】肉のプロが教える、焼肉の部位別焼き方ワンポイントアドバイス〜後編〜

“ガスロースター×鉄板”に適した焼き方をレクチャー!〈ナスキロ〉オーナーシェフ・高山流&フードアクティビスト・松浦流、2人の焼き流派の違いにもご注目。前編はこちら

styling: Miho Iguchi / photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Haruka Koishihara

ハラミ

薄切り:攻めの姿勢で、レア禁止!

「赤身はドMだから、火の真上で“筋トレ”=炎でいじめると繊維に躍動感が出る!」と語る高山さんに「さすがドS」と松浦さん。が、「焼き目ガッチリでメイラード反応を狙うのは同意ですが、慣れない人がご主人様気取りで強火で攻めるのは危険。中央で焼き目をケアしつつ赤味がなくなるまでじっくり、でも可」。

厚切り:ガシッと噛むとジュワ〜、が理想。

ハラミの繊維の太さがより際立つ厚切り。「アコーディオン状の繊維をトングでぎゅっと縮め、血液を逃さないように焼くと、かじった時のジューシーさが倍増!」(高山)。表面はあくまで乾かすように焼き、内部に肉汁を閉じ込めるイメージで仕上げたい。焼き上がりを食べた松浦さんが一言、「優勝です!」。

ミノ

カットによって焼く場所を調節。

ミノは焼く前にじっくり観察を。仕事がしてある=的確に包丁が入っているか否かでロースターのどこに置くかが変わるからだ。「仕事がしてあるものは火の上で手早く、かつ満遍なく。切り目が入っていなかったり、脂がのって厚みのあるミノサンドなら、センターで何度か返しながら、内部まで温めて」(松浦)

ミノを焼く様子
「上手に焼けば、蒸しアワビのような豊かな旨味と生アワビみたいな食感が共存!」と高山さん。

センマイ

焼きよりも味つけにひと工夫。

“焼肉”ではあるが、センマイに関しては「もともと味も香りも淡泊だから温める程度で大丈夫」(高山)。ただし「うっかり突起部分を焦がしちゃうと味も食感も台なし。ロースター中央で絶えず動かして両面を温め、香りが立ったら引き上げて」(松浦)。ゴマ油+ニンニク+塩+酢をつけると美味!のアドバイスも。

センマイを焼く様子
突起の面を焦がすと「まるでハリネズミ!口当たりが悪くなるので優しく手早く」(松浦)。

ハツ

調味料使いで
グッとおいしく。

「まずゴマ油をまとわせ、薄切りは片面焼き。厚切りは天地のみ焼いてから仕上げに側面も軽く。食べるときに辛子をつけるのが好き」(高山)。「ゴマ油は表面が乾きやすい厚切りだけに。ロースター中央を中心に広範囲を転がしてプリッと仕上げます」(松浦)。いろいろなパターンを試し、好みの仕上がりを見つけよう。

ロース

サシの入り具合に
適した焼き方を。

並ロースであれば「センターで軽めに。焼きすぎさえ防げばOK」(松浦)。
霜降りの多い上ロース(サーロイン)の場合は「ほかの部位を6割程度の火力で焼くとしたら、上ロースは8割で。サシが入った“白身”ですが、脂の融点が低い部位なので。特に薄切りならば強火で焼いてさっと脂を溶かすイメージ」(高山)

ギアラ

脂を落とさず、
皮を焼く。

4つある牛の胃袋のうち、最も脂がのっていて濃厚な味わいが特徴のギアラ。「クニュクニュの胃壁に、きっちりと焼き目をつけて焼きましょう。厚みがある場合は、内部まで温めるイメージで。とはいえ水分が多いので、少々雑に焼いてもおいしく仕上がります。ポジションはロースター中央で」(松浦)

ギアラを焼く様子
脂は焦がさず、硬い部分に火を入れるイメージで。「ちなみにコブクロにも応用できる焼き方です」(松浦)