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料理家・山戸ユカが水族館に通う理由。「マナティーに恋をしたから」

かわいくて、不思議で、面白い、生き物たちの魅力が詰まった水族館に魅せられる人が急増中。海や川の生き物を愛し、水族館に通っている山戸ユカさんの、楽しみ方や時間の過ごし方を聞いてみた。

本記事も掲載されている、BRUTUS「通いたくなる水族館。」は、3月1日発売です。

text&edit: Yuriko Kobayashi

水族館で思う海の環境と未来

水族館に通うようになったのはマナティーに恋をしたから。ある時、絶滅危惧種の動物が特集された映像を観て、その姿に一目惚れ。以来、全国のマナティーに会いに行くようになりました。三重県の〈鳥羽水族館〉や沖縄県の〈沖縄美(ちゅ)ら海水族館〉などで見られますが、顔や性格などに個性があって、何時間でも見ていられます。

最推しなのは静岡県の〈熱川バナナワニ園〉にいるアマゾンマナティーの“じゅんと”君。人懐っこくて、何時間も水槽の前にいると、「このオバサン、まだいるわ~」という感じで、近くに寄ってきてくれるんです。ある時、私の前を泳いでいく際に頭を上下させていたのですが、飼育員さんが「挨拶してますね」と言ってくれて、嬉しかった!

マナティーは乱獲や海洋汚染のために絶滅の危機に瀕しています。水族館で会えるのは嬉しい時間ですが、それと同時に人間が彼らを絶滅に追いやっているという事実にも直面します。水族館が、その現実を多くの人に知ってもらえるきっかけになればいいなと思っています。

料理家・山戸ユカ
日本で唯一アマゾンマナティーを飼育する〈熱川バナナワニ園〉。山戸さん最愛のじゅんと君は2024年4月に推定60歳を迎える個体で、おっとりした性格。