
写真で見る、「居住空間学2025」
日本+海外の風通しのいい部屋集
photo: Kenshu Shintsubo、Keisuke Fukamizu、Hiroki Isohata、Ayumi Yamamoto、Futoshi Osako、Taro Hirano、Shuhei Tonami、Sean Hazen、Rie Yamada、Eefje De Coninck & Senne Van der Ven / text: Yuka Sano、Mar i Matsubara、Sawako Akune、Masae Wako、Tami Okano、Yumiko Urae、Chiyo Sagae / interview: Solana Saffen / coordination: Megumi Yamano / edit : Tami Okano、Kazumi Yamamoto、Kazumi Yamamoto

鉄で造った100年住宅を街に愛される緑の丘に
構造家・梅沢良三
2階の息子家族の居室。本来は大きな一室空間で、階段や写真右手の寝室は、ジャイアントファニチャーと呼ぶ、建築本体とは切り離された造作。家族構成に合わせ住み方は自在。

住み手や役割が変わっても、変わらず風と光が通り抜ける家
〈GENERAL DESIGN〉代表・大堀 伸
1階と2階をシンプルな螺旋階段がつなぎ、ガラスブロック壁から光が入ることで、隣家が迫る立地ながら室内が明るい。アンティークのスツール上にはジンチョウゲの鉢植えが。

海を望む敷地を、友人たちと育てていく
ミュージシャン、プロデューサー・坂口修一郎
海と空のあわいが、オレンジのグラデーションで溶け合っていく夕暮れ時。緑の切れ目の向こうはビーチで、何より得難い眺望だ。愛用のトランペットで即興演奏を。

家具も工芸品も音楽も、全方向への偏愛を詰め込む部屋
〈HOUSETRAD〉デザイナー・細田邦彦
初期〈マッキントッシュ〉の真空管アンプとイームズの名作椅子が並ぶオーディオルーム。珍しい斑(ふ)入りのカバ材を張った壁には、高野夕輝の木彫り熊とジョージ・ネルソンの照明。

焼き物の壁と木組みの屋根を持つ、器作家の家
陶芸家・古谷宣幸、古谷朱里
2階寝室。天井の木組みは寺社建築に見られる蕪束(かぶらづか」)構法。通常は四隅から中心の蕪束(丸太)に向けて急な勾配がつくところを、極限までフラットに抑えた。壁は施主が左官塗り。

住人みんなで育てた環境ごと、住み継いでいく
建築家・井出敦史
井出信子さん・麻由子さん親子の住戸。壁は硅砂漆喰塗り。開口部の外にバルコニーが続く。ソファはアルフレックス、右端の椅子や左端のアームチェアは〈柏木工〉社製。

そこにいる人、そこにあるもので作る生活の実践
〈gm projects〉メンバー・豊嶋秀樹
吹き抜けのダイニングを2階から見下ろす。この日の昼食は、パンとトマトスープ、真狩(まっかり)産の根セロリのサラダ。妻のきよらさんと共に「緩やかな」ベジタリアン。野菜だけで賄う料理の工夫そのものにも関心がある。

LAのモダニズム住宅を文化の発信基地に
建築家・Takashi Yanai
窓を開ければ屋外と屋内が一体化するリビング。右の壁の写真は杉本博司の作品。イサム・ノグチの照明や柳宗理のスツール、深澤直人の椅子など日本人に馴染みのある家具も。

旧東ドイツの農家の牛舎を住まいに変えて
アーティスト・Robert Abts
元は1907年に建てられた牛舎。床のコンクリート部分に床暖房を入れたり、壁を塗ったり、と2年かけて改装。鉄柱に吊したハンモックでよくのんびりするそう。

築300年のプロヴァンスの家に、新旧アートワークで物語を紡ぐ
アートディレクター・Muriel Gregoir、Fréderic Vankeijmeulen
ダイニングキッチンからビロードのカーテンの向こうのリビングを望む。近隣の古道具屋や蚤(のみ)の市で掘り出した古い家具に、夫妻が集めた新旧のアート作品がよく馴染む。