様々なカルチャーの“面白い”が
転がっている遊び場
ミュージシャンやアーティストとして活動しながら働くスタッフも多く、クリエイティブなつながりが生まれている場所を教えてくれた林陸也さん。この日は林さんもファンだというシンガーソングライターの米山ミサさんが店に立つ。
「米ちゃんのソロプロジェクトの浮はよく聴いてるよ。有名ミュージシャンはもちろんいいけど、どんな人が歌っているかがわかると自分にはより響く気がして。ローカルなバンドを追いかけるのが好きなんだよね」
林さんが「これ最高だから聴いてみない?」と言って取り出したのは、THEロック大臣ズのギター大臣・加藤雅崇さんがお風呂で録ったという弾き語りのデモテープ。米山さんも「私は最近、Gofishをよくかけてる。飲み屋で知り合ってコーラスで参加して……」といったふうに、知らないインディペンデントな音楽やライブのことが、お店に来れば生きた情報として耳に入ってくる。
オーナーの近藤ジョージさんは空間演出の仕事をしている人。店内は各地に赴き出会ったお酒や音楽やアートで彩られている。〈Human Nature〉や〈万珍酒店〉がお酒をセレクトしていたり、おばんざいにジビエのステーキや、手作りのスコーンまでラインナップするなど妥協がない。
「普通にカレーを頼んだら、本格的なスパイスカレーが出てくるし。お酒も料理も音楽も適当にやっていないのが素晴らしくて。そんななかで、集まってくる人たちが上下関係もなくフラットに、カオスな状態で遊んでいる感覚が心地よいんですよね。
のんびりとした都下の雰囲気もあるし、ここを起点に仲間が増えていくのが面白い。一人でゆっくりとはあまりできないけどね(笑)」
2人で選んだ4枚
『三度見る』浮
ノータイトル(デモ音源)加藤雅崇
『光の速さで佇んで』Gofish
『ごあいさつ』高田渡