主に焼酎、レモンシロップや果汁、炭酸水から成るレモンサワー。居酒屋の定番ドリンクは一見、バーとは無関係に思える。しかし今、多くのバーテンダーが、この和製カクテルに熱視線を注いでいるのだ。
「うちの“レサワ”を飲み、果物の蒸留酒にハマった方もいます」と、〈Bar B&F〉店長の峰岸翔弥さん。ベースの「シンガニ」はバー初心者に馴染みの薄い酒だが、これで“レサワ”を作ると客が興味を示すという。
一方でレサワの焼酎の要素を穀物の風味が強い「ジュネヴァジン」で置き換えたのが、〈BAR WATERSHED〉店主の角田剛兵さん。レモンサワーの要素を分解&再構築する、バーらしい仕掛けだ。ほかにもスロージューサーでレモンを丸ごと搾ったり、シグネチャーカクテルをアレンジしたり。一杯を通して、バーテンダーの創意工夫が垣間見える。