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7月15日はゴッドファーザー50周年。落語家・柳亭小痴楽が解説

毎日がなにかの記念日だ。歴史上これまでに起きた出来事などをカルチャーの達人たちに教えてもらいました。
前の記事「7月4日はアストル・ピアソラの命日。バンドネオン奏者・小松亮太が解説」も読む。

text: Emi Fukushima

映画『ゴッドファーザー』
日本公開から50年

固い絆を持つ組織=ファミリーが、内部の裏切りで混乱していく。僕の大好きなマフィア・任侠映画にお決まりの展開の原点が、1972年公開の『ゴッドファーザー』。絶対的な力で大マフィアを率いるヴィトーが敵の銃弾に撃たれたことを機に、末息子マイケルが“ドン”としてのし上がる筋書きです。

人情派のヴィトーと合理主義のマイケル。対照的に描かれますが、共感するのは圧倒的にヴィトー。落語界もいわばファミリーですが、発展のためと寄席の集客ばかり求め関係性をないがしろにしては、マイケルの率いた組織のようにいつかほころびが生じるはず。下っ端ながら古い価値観を持ったのは、本作の影響かも。

ちなみに僕が好きなのは、PARTⅠでマイケルの兄・ソニーが、妹が夫に暴力を振るわれたと聞いて、カッとなり安易に飛び出し大量の銃弾を食らうシーン。感情に任せ家族を守る姿勢がバカで愛おしいなと。仲間を絶対に裏切らない。時代が変わっても揺らぐことのない教訓を、今に伝える映画です。