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暮らす

プロダクトデザイナー・熊野亘が選んだ椅子

食事をしたり、読書をしたり、時には何かを置いてみたり……椅子は心地よい居住空間に欠かせないもの。だからこそ、そのセレクトからは、自然と住み手の暮らしが浮かび上がってきます。「居住空間学2023」で取材した部屋から厳選した椅子を紹介。椅子から考える居住空間学“サイドB”です。

photo: Maya Matsuura, Junpei Kato, Rasmus Rønne, Taro Hirano, Masaki Ogawa, Sayuki Inoue / text: Chieko Tomita, Sawako Akune, Emi Fukushima, Masae Wako, Asuka Ochi / edit: Kazumi Yamamoto, Tami Okano

〈フリッツ・ハンセン〉社のドットスツール

張り地を替えて長く使い続ける、シンプルで繊細な一脚

〈フリッツ・ハンセン〉のスツール

「祖父母の家で見つけ、時機を見計らってもらってきた」というのが、アルネ・ヤコブセンがデザインした《ドットスツール》。「脚のアールが美しく気に入っていたんですが、次第に合板の座面が剥がれてきてしまったんです。

2021年に飛騨高山の椅子張り工房〈MØRUS〉さんと知り合い、相談して張り替えてもらうことに。座面の外側が膨らみ、中央が微妙に窪んでいる繊細な形を保ったまま張り替えてくださったので、なおさら愛着を感じています」