Visit

丸山智博が通う、目利きの店。新宿〈新宿 北村写真機店〉

店の雰囲気、品揃え、店主やスタッフの人柄。思わず足を運んでしまう理由は人それぞれ。〈MAISON CINQUANTECINQ〉〈AELU〉〈LANTERNE〉など数々の人気レストランを手がけるシェルシュ代表の丸山智博さんに聞いた、“信頼できる店”とは。

photo: Masanori Kaneshita / text: Shiori Fujii / edit: Chizuru Atsuta

連載一覧へ

「新宿に行ったら、とりあえず寄る」がもはや習慣

自分が作った料理やケータリングの風景、レストランの景色を記録したくて、2018年頃からカメラにハマっています。町の電器屋さんで小さなデジタルカメラを買ったのをきっかけに、どんどん夢中になってしまって。名作といわれるようなボディやレンズを使ってみたり、相性が合わなければ売って買い換えたり、探り続けることも楽しいんです。

カメラ専門店の激戦区、新宿にある〈新宿 北村写真機店〉は、特にスタッフにスペシャリストが揃っているところに信頼を寄せています。接客の感じも程よくて、こちらから声をかけない限り放っておいてくれるけれど、聞けばとても丁寧に教えてくれるのがいい。

新宿 北村写真機店 店内
中古レンズの品揃えも豊富。ボディとの組み合わせを替えるなどの楽しみも。

なかでもフィーリングが合うスタッフの方がいて、その人を見かけると声をかけていろいろ質問しています。僕が質問したことの真意を読み取って、専門的すぎずちょうどいい、好みに合うアドバイスをしてくれるんですよ。また、ほかのお店ではケース越しに見るだけしかできない新品カメラも、こちらでは触って試せるのがありがたい。

仕事場と自宅との道中にあるということもあって、特に何かを買うという目的がなくても、とりあえず寄ってしまうくらい好き。週に1度は行っているかも……。妻にも「カメラのことならそんなに夢中になれるのね」って、ちょっと嫌な顔をされているくらい(笑)。

フロアによってデジタル新品、ジャンクコーナー、ライカコーナー、フィルムカメラなどとコンセプトが分かれていて、どこもそれぞれに面白い。もっとマニアックな品揃えの店もあるかもしれませんが、ここは初めて行ったときも、ちょっと詳しくなった今も、同じように満足させてくれる。そんなところも、バランスがいいお店なのです。

連載一覧へ