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オーガニックファーム〈ファームランド櫻島〉が取り組む、火山灰を生かした農業

勇壮な桜島の聳(そび)える錦江湾(きんこうわん)(鹿児島湾)を中心に、山海の双方に恵まれた鹿児島県。豊かな自然を生かし、ほかにない味を生む若き生産者たちが増えています。強い信念を持って日々に向き合う7組の生産者に会いに、県内を巡りました。記事の後半では、実際にその味に出会えるお店の紹介も。前回の〈サウスマックス〉を訪れた記事はこちら

photo: Yoshikazu Shiraki / text: Sawako Akune

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旅をした人:ジェローム・ワーグ(シェフ、アーティスト)

ファームランド櫻島(室屋智美):桜島大根、桜島小ミカン

〈サウスマックス〉の大輔さんのもとを後にして、錦江湾沿いに半島を北上する。ジェロームさんの最後の目的地は桜島。険しい岩肌がすぐそばに見える土地で室屋智美さん一家が営むオーガニックファームだ。1本が10~20kgほどにもなる桜島大根や、世界最小ともされる桜島小ミカン、そして種々の野菜を育てるこの農園は、20年ほど前に無農薬・無化学肥料栽培に舵を切った。室屋さんが話す。

「火山灰質の土壌は痩せているから、肥料なしでは作物は育たないという声もあったのです。でも時間を重ねた今は、そんなことはないと断言できる。火山灰、そして肥料にしている錦江湾の海藻のミネラルで、大きく味の濃い野菜が育ちます」

火山灰を生かしながらの農業に興味津々のジェロームさん。「桜島大根の収穫の時期には必ず食べたいね」と話しながら室屋一家に手を振って帰路へ。前を走る車のタイヤが火山灰を巻き上げ自分たちに降りかかると、大きな笑い声を立てた。

「桜島の洗礼だね!(笑)この火山、そして美しい海。真正面から自然に向き合って、それぞれのアプローチでその恩恵を受ける食材を作る人たちが鹿児島にはいるのだと、改めて実感しました。私たちの料理の一皿は、生産者の仕事が半分、料理人の仕事が半分。おいしい料理を作る最大の立役者たちに会う旅を、これからも続けていきます」

鹿児島〈ファームランド櫻島〉室屋智美、シェフ・アーティストのジェローム・ワーグ
中央が室屋智美さん。すぐそばに桜島の山肌の見える白浜エリアは、扇状地で軽石の多い土壌。

ファームランド櫻島

住所:鹿児島県鹿児島市桜島白浜町1267 | 地図
TEL:099-245-2822

ファームランド櫻島の味に出会えるお店はこちら

Cafe しらはま(鹿児島市)

プレートランチ
ファームランド櫻島が営む、桜島の麓のカフェ。自家農園で採れる季節ごとの有機野菜を使ったプレートランチやカレー、スイーツなどを提供する。農作業の繁忙期はカフェは休み。来店前に問い合わせを。

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