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郷土玩具

寂光院紙つばめ

 木曽川沿いの継鹿尾山中腹にある寂光院。尾張最古刹として知られ、本尊の千手観音菩薩は日本武尊の作と伝えられています。今回ご紹介する紙つばめは、寂光院の例大祭にて売られていたもので、参拝客たちは、このツバメを“田の害虫を食べてくれる観音様の使い”として、田の畔にたくさん立てて五穀豊穣を祈りました。棒に取り付けられたツバメを風に向けると、ふわりと浮き上がり、尾羽根がくるくると回り、見事に飛翔します。田

白虎面

 近代化の波とともに次第に消えゆく玩具たちの写生画を数多く残した絵師・川崎巨泉。大阪・堺出身の彼は、浮世絵師として活動したのち、新聞広告の図案や風俗絵を描いていましたが、明治30年代中頃から玩具の収集と写生に目覚め、「おもちゃ画家」となった人物です。以前、本誌特集でも作品の一部をご紹介しましたが、その画は、様々なアングルからの描写に加え、細かなディテールカットまで丹念に描かれており、さらには、画の

ふく凧

 山口県下関市の安岡町に伝わる河豚の形をした凧、「ふく凧」。安岡町は古くから凧揚げが盛んな地区で、約50年ほど前に地元の凧愛好家・安本実氏が下関の特産品である河豚をモチーフにした凧を作ったところ、全国から注文が殺到。大空に舞って人々に福をもたらし、部屋に飾っても福を招く、として安岡を代表する郷土玩具に成長しました。口の部分がくりぬかれたユニークな表情の丸凧です。この穴はただの飾りでなく、ここを風が

坊ノ谷土人形

 ピンと立った黒い耳に、虎模様の斑。前回ご紹介した愛知県の三河系招き猫は、隣県の招き猫にも大きな影響を与えました。静岡の「坊ノ谷土人形」もその一つ。明治18(1885)年に初代高木弥左エ門によって始められた歴史ある土人形でしたが、昭和初期に廃絶して以来、忘れ去られていました。その後、地元の郷土玩具愛好会が原型を発見して研究が進み、高木家のご子息と協力して数多くの人形を復活させています。
 招き猫は

江戸初期犬張り子

 東京を代表する郷土玩具である犬張り子。全国的にも最もポピュラーで馴染みのある玩具の一つではないでしょうか。犬は多産でお産も軽いことから、安産や子供の無病息災を願う縁起物です。犬張り子のルーツは、以前、当連載で紹介させていただいた「犬筥」。室町時代あたりから宮中でのお産の際に使われた、守札や化粧道具を納めた犬型の張り子の箱です。現在の犬張り子は時を経てデフォルメされ、真ん丸の顔になっており、中には