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今日のギフト:〈日光人形焼 みしまや〉の人形焼 詰め合わせ

あの人の笑顔が見たい。お世話になっている友達や家族、恋人に贈りたい、ちょっと楽しいプレゼントを毎日紹介。

photo: Shu Yamamoto / text&edit: Yoko Fujimori

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おやつを愛するあの人へ
良質素材と造形美が際立つ「三猿」の人形焼

〈日光人形焼 みしまや〉の日光人形焼 詰め合わせ

日光の目抜き通り、日光街道沿いで店を営む人形焼の専門店〈みしまや〉。こちらの商品が世に数多ある人形焼と一線を画しているのは、素材の良さはもちろんのこと、その並々ならぬ造形美だ。

店主の中山圭一さんは日光彫の老舗〈三島屋〉の4代目であり、多摩美術大学で彫刻を学んだ人物。この彫刻のサラブレッドともいうべき中山さんが「地元・日光の新名物となる人形焼を」と、〈三島屋〉の隣に自ら店を開いたのだ。

彫刻の専門家ゆえ、日光を象徴する「日光東照宮」をモチーフに、焼き型の原型から作成。ちょっと背の丸い「三猿」の愛らしい姿や、500もの彫刻がちりばめられ、日本随一のデコラティブな歴史的建造物として知られる「陽明門」までも人形焼で表現する果敢さに驚かされる。

そして素材は北海道産小麦や十勝産小豆、栃木県〈卵明舎〉の「摩宝卵」、甘みは愛知県産本みりんや広島産もち米飴など、隅々まで店主が納得する国産素材を使用。香ばしくサクッと歯切れの良い生地と、こし餡の清らかに澄んだ後味にうっとりとなる。見た目のインパクトだけでない、味わいも上質だ。

もはやこれは「食べられる伝統工芸品」。ひとつひとつ、その造形をじっくりと愛でてから大切にいただきたい。

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