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昭和

奥深き、食い倒れの町。

 10月末。最初のロケハンの際、深夜にもかかわらず、人で溢れ返っていた立ち飲み〈Wapiti〉。とにかくみんな楽しそうに飲んで、笑って、初めての人とも臆せず乾杯! なんとも人懐っこい、大阪らしい風景。そんな楽しい夜のロケハンを進めていくと、大阪のカレーはとにかくスゴイから! と力説する人、多数。なかでも、阿倍野のかっきーのカレーがおいしいらしい。常設の店はなく、〈青空食堂〉という立ち飲み店に不定期

オリンピックもピンク映画も撮ったのは、俺ぐらいかな。|山本晋也(最終回/全四回)

 結局、ピンク映画は240本から250本ぐらい撮ったのかな。監督になって最初の3本までは面倒を見るって言われたんだよ、会社にね。3本の中から1本でもヒットが出たら監督として雇うからって(笑)。そしたら『未公開の情事』がヒットしたんだよ。いいタイトルだよね。『狂い咲き』『未公開の情事』とかさ。この前、俺の作品の一覧をリストにして持ってきてくれた人がいてね。俺の映画はあれですよ、ピンクのものがフィルム

【BRUTUS.jpだけの居住空間学】プロインタビュアー・吉田豪の360°タレント本に囲まれる部屋

今回の『BRUTUS.jp』オリジナル記事は、本誌とは少しだけ目線を変えて、“特異”な「居住空間学」を持つ、住まい手に話を聞いてきました。
整えない、整わない(?)。集めに集め、集まってしまった、本、本、本……。足の踏み場がどんどん駆逐されていく。
訪れたのは、アイドル、俳優、プロレスラーから政治家まで、数々の著名人を取材、徹底的な下調べから「本人よりもその人に詳しい」と称される、プロインタビュア

なぎ守り(和歌山県/新宮市)

 全国熊野神社総本宮として崇められている熊野速玉大社。

『日本書紀・神武天皇紀』にも記述がある神倉山の天ノ磐盾に降臨した熊野の神々を、景行天皇58年、現在の社地に初めて真新しい宮を創建しお祀りしたのが始まりと伝わっています。始まりを告げる「黎明の社」とも称され、新宮市という町の名の由来にもなっています。

 境内には樹齢約1000年の御神木、梛の大樹が聳えます。なぎは凪ぐ穏やかさに通じ、また、葉

有楽町 純廣東料理〈慶楽〉の「上湯炒飯」

 以前、僕がニッポン放送でレギュラーを持っていた時に、収録の前によく腹ごしらえしに行った中華料理屋がある。1950(昭和25)年創業、有楽町の純廣東料理〈慶楽〉。2018年12月、68年の歴史に幕を閉じた。池波正太郎や9代目林家正蔵も通ったという当店の押しも押されもせぬ看板メニューといえば、なんといっても「上湯炒飯」。洋食屋がチキンライスに使うような型で抜かれた炒飯に、上品なスープが注がれた一皿。

2020年も、John Whitney。

 僕が子供の頃のSF映画だと2020年には都市の外観から社会システムまで全く様変わりした未来世界だったはず。でも現実はネットやスマホなど革命的な発明があったにもかかわらず、人々の意識はずっと地続き。スマホゲームの課金、SNSで炎上、AIで昭和スターを再現……。結局行き着くところは小市民のリアルな生活。なんかワクワクできないんですよね。なんて老害っぽく愚痴をこぼしながら、2020年でも僕はコンピュー

寺山修司×和田誠の 『血と麦』。

 中学時代買った本で、今も手元にあるのはわずかだ。その一冊は、数年前、本誌「危険な読書」特集で紹介した江戸川乱歩の『犯罪図鑑』だった。次に愛着が深いのが、寺山修司の歌集『血と麦』となる。購入のきっかけは、中学の教師の机の上にあった短歌雑誌を見ていて、広告ページでみつけたものである。ただただ『血と麦』という表題の不穏が田舎の中学生の胸を刺し、中身はわからなかったが賭けにでた。
 当時、函入り単行本は

尊敬できる、 キッチン道具。

日々使うものだからこそ、キッチン道具には、機能性、使い勝手、形、素材など、使う人のこだわりが表れる。デザイナー・熊野亘さん、料理人・原川慎一郎さん、陶芸家・内田鋼一さんの異なるフィールドで活躍するプロフェッショナルが敬愛する道具は一体どんなものなのか? 日頃使っているツールを持ち寄って、語り合ってもらった。


3人が集まったのは、原川慎一郎さんが運営するレストラン〈ザ・ブラインド・ドンキー〉の厨

松屋珈琲店

 1918(大正7)年開業、ブレンドコーヒーが評判の老舗焙煎所が、昨年11月から開店〜10時限定でモーニングコーヒーの提供をスタート。深煎り、中煎りの2種を販売する。この試みを発案したのは、店主の3代目・畔柳一夫さんの新たな相棒、〈STREAMER COFFEE COMPANY〉でのバリスタ経験もある滝沢拓也さん。店が昔から得意とする深煎りに加えて、朝の目覚めにフルーツのような爽やかな香りが立ち込