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井口可奈のお笑いライブ偏愛日記:第18回『ZYA MANZAI −じゃまんざい−』

小説、俳句、短歌などを書く井口可奈が、訪れたお笑いライブを熱く語る連載、第18回。前回の「にぼしいわし『にぼしいわしの何卒宜しく』」も読む。

text: Kana Iguchi

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公演日:10月5日
公演名:ZYA MANZAI −じゃまんざい−

ZYA MANZAI −じゃまんざい−

漫才中に邪魔が入るからじゃまんざい、というシンプルなネーミングが面白く、このライブに足を運ぶことにしました。

最初に全組の邪魔の入らない漫才が披露され、その後にくじで引いた邪魔が入る漫才が1組ずつ行われていくという形式のライブです。

気になっていたのはユビッジャ・ポポポーで、ユビッジャはピン芸人のはずでした。そもそも邪魔の入らない漫才をどうやってやるのだろうと思っていると、小柄なユビッジャと同じサングラスをかけた人が後ろからついてきて、道具の出し入れなどを行い、あらゆる形で小柄な人が無言でツッコミを入れるというような形での漫才でした。ボケとツッコミのギリギリで噛み合う言葉選びに笑わされてしまいます。

邪魔の入る漫才のパートになると、トップバッターの春組織がくじ引きにより、一つは動いてはいけない、もう一つはスナイパーに狙われているという設定の邪魔を入れなくてはならないことになり、目線だけでスナイパーを予感させる新垣の様子に大きな笑いが起こっていました。

最後のうちまつげの漫才では、シークレットの邪魔が入ることになりました。なにが起こるのかと思っていると、漫才中にユビッジャ・ポポポーたちが出てきて、相槌を打つなどをして漫才のペースを崩していきます。ユビッジャは色々なボケを隠し持っていて、惜しむことなくそれらが披露されました。

邪魔そのものであるかのようなユビッジャの存在に、邪魔について考えさせられたライブでした。

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