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井口可奈のお笑いライブ偏愛日記:第11回 十九人×マタンゴツーマンライブ『人ゴ』

小説、俳句、短歌などを書く井口可奈が、訪れたお笑いライブを熱く語る連載、第11回。前回の「第10回『ナンバークラブ7』」も読む。

text: Kana Iguchi

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公演日: 4月9日
公演名: 十九人×マタンゴツーマンライブ『人ゴ』

 十九人×マタンゴツーマンライブ 人ゴ

十九人とマタンゴ、どちらのコンビも大好きだけれど、2組にはどんな繋がりがあるのだろう?と思いながらライブの開演を待っていました。

このライブはネタをそれぞれ5本ずつ、合間に2本の企画が入る構成です。ネタがそれぞれ2本ずつ行われたあとの企画のコーナーでは、2組がそれぞれ撮った画像や映像が流されました。十九人の家に泊まって7時間小さなピアノを弾き続けたマタンゴ鉄太郎、ディアボロという中国ゴマに似たものの一番簡単な技を披露する十九人松永の映像など、2組が普段から一緒に行動している仲の良い様子がわかります。

なるほど仲良しなのだな、と思いながら見ていきます。ネタの中では、マタンゴの洗剤のネタは2人の得意な言葉遊びを最大限に大げさに使っていて見どころが多いなと思いました。

特に面白かったのは2組がお互いのスタイルを交換した状態で自分たちのネタをやる最後のネタコーナーでした。十九人ゆッちゃんwのスタイルで大暴れする鉄太郎は軽やかでなく、逆にマタンゴ斉藤アーのスタイルで静かに語り上げながら持ちネタをやろうとするゆッちゃんwはところどころ笑ってしまっていました。笑うゆッちゃんwを見て感じたのは、十九人のネタに通底するのはお互いが笑ってしまってもいい、楽しむことが漫才だというような姿勢です。また、十九人の漫才を楽しむだけ楽しんで最後はスパッと余韻を持たせずにありがとうございましたと言って終わらせる点は、楽しさをすこしも損なわせない終わり方に感じられて、私は素晴らしいと思いました。

ライブの最後は、アーさんが飛び蹴りで全員をぶっとばし、鉄太郎にだけマジ蹴りをくらわせる笑顔が素敵でした。

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