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井口可奈のお笑いライブ偏愛日記:第7回『レイクサイド・ストーリー』

小説、俳句、短歌などを書く井口可奈が、訪れたお笑いライブを熱く語る連載、第7回。前回の『レッドブルつばさとリップグリップが話す時間』も読む。

text: Kana Iguchi

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公演日:11月24日
公演名:『レイクサイド・ストーリー』

なんすい『レイクサイド・ストーリー』

「湖のほとりでゆるりと見たい、センスを愉しむネタライブ」と銘打った企画の第2回です。1回目に行ったとき、合間の映像に湖の風景が流れるゆったりした雰囲気がいいなと思って、今回も足を運びました。

21時から始まる夜の落ち着いた雰囲気をまとったライブは、独特なテンポですこしずつ内容がねじれていくダイヤモンドの漫才から始まります。

湖のほとりでゆるりと見たい、というライブの設定に合っているな、と思ったのは軟水というコンビのネタでした。軟水で記憶にあるのはキングオブコントの準々決勝で、恐竜の被り物をして声も出さないネタを行っていたことです。今回のネタは、銃を持った2人が出会うところからコントが始まるというものです。撃ち合いになる展開までは想像がつくものですが、そこからは意外な形でストーリーが進んでいきます。延々と続く不条理な時間に、いまこのコントを見ている自分は何をしているんだっけ?(コントを見ているだけなのに!)と不思議なことを考えながら笑い続けてしまいました。

それは湖のほとりでひっそりと誰にも知られず行われていてもおかしくない行為だと私は思いました。誰も見ていないところでこの行為が行われ、ひっそりと終わっていく、いや、終わらないかもしれない、永遠に2人はそれをやり続ける、そういう様子まで想像できるようでした。

エンディングトークでは、小松海佑が会場のヨシモト∞ホールのすり鉢状の客席をたとえツッコミするお決まりのくだりが今回も登場しました。小松が衝撃波を起こしてそのショックで客席ができたそうです。ほんとかな?

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