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井口可奈のお笑いライブ偏愛日記:第6回『レッドブルつばさとリップグリップが話す時間』

小説、俳句、短歌などを書く井口可奈が、訪れたお笑いライブを熱く語る連載、第6回。前回の「第5回『解散、断固すいません』」も読む。

text: Kana Iguchi

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公演日: 10月18日
公演名: 『レッドブルつばさとリップグリップが話す時間』

『レッドブルつばさとリップグリップが話す時間』

最近疲れ気味で、ゆっくりと小規模のトークライブが観たい、という気分になってこのライブに足を運びました。
会場はfu-+801号室という、10人もお客さんが入ればいっぱいになるだろう部屋でした。トークはリップグリップ倉田さんの靴下がださすぎるという問題にはじまり、男子校出身者はおしゃれを知らないという話から最近見た本やアニメの話題に移っていきました。

いわゆるオタクとギャルが仲良くなるという筋の物語について、男子校出身のためそのような青春を送ったことがないからうらやましい、おれもそうでありたかった、と思いながら見るというリップグリップ岩永さんに対し、倉田さんは、物語は物語として見て、視点としては物語の中に入り込んで感じ取るようなかたちだと言いました。岩永さんが「じゃあ倉田は自分を物語の中のどこに置くの?」と質問していたことが面白く感じられました。

おそらく、岩永さんはエロゲーにとても詳しいため(スケベ大学という架空の大学の学長を務めているほどエッチなことへの知識に詳しい彼です)その疑問が生まれてくるのだと思いました。エロゲーは主人公視点で進んでいき感情移入する部分が主人公に限定されるため、一般的な物語の中にも自分の視点の位置を定めることが普通に思えているのかもしれません。

なお、レッドブルつばささんはオタクが迫害されていた時代の人間として、こんなにオタクが優しくされる話ないだろ〜!と思ってしまう派だそうです。それはそれでわかる!

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