過酷な選考を突破した名作たち
ノーベル文学賞や国際ブッカー賞といえば国際的に有名な文学賞だが、その候補作になる条件が主に「英語で読めること」だというのはご存じだろうか。要するに選考委員が読めなければ候補対象にすらならないのだ。
主に、というのは英語がグローバル言語であるからにほかならない。であれば翻って、文芸の翻訳書が充実している言語圏でなら同様の文学賞は成立するのでは?と思ったらすでに日本にもあった。日本翻訳大賞。日本語に翻訳された公刊物が対象となる翻訳のアワードだ。
しかも候補作は、各言語の専門家が原文と照らし合わせて翻訳の精度をチェックするという。そんな選考過程を知ると、なんだか受賞作がありがたく思えてくる。