蟻マシーンには楕円形の部屋と通路が張り巡らされ、無数のアリがうごめく。まさにアリの巣の断面図だが、表面はガラス板で密封され逃げ出す心配もなく、24時間アリの営みを観賞できる画期的な飼育キットなのだ。大の虫好きの島田さんがアリに着目するのは、社会性昆虫の営みに魅力を感じるからだそう。
「人間と同じく家族を構成し、協力して生きます。一家は同じ巣で暮らすので、続けて観察すれば、一つのホームドラマが観賞できます」
![北米や豪州の乾燥地域に生息ミツツボアリ](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/11/2bf6f2b81f3c49d1f4a799ce8ca78a5f.jpg)
島田さん自ら捕まえた女王アリを育て、一定規模の家族になれば、マシーンと一緒に販売する。働きアリは数百匹に増え、やがて女王の死とともに最期を迎える。それは長ければ、10年にわたる家族の物語となる。
「餌は外付けの餌場にミールワームを置けば、働きアリが家族の分も運び、子供に口移しで与えます。巣のゴミは、自分たちで外に出しますよ。おまけにトイレ用の部屋まであって、場所ごとに違う営みがあるので、見飽きることはないんです」
ただしアリの忠誠心を利用し、巣に侵入する好蟻性昆虫や、別種の巣を奪うアリもいるという。アリ特有の匂いを偽装し、家族のフリをする。アリは知らずに赤の他人の世話をするが、その献身的な姿勢もまさにアリらしいと島田さんは言う。
![毒があるために上級者向けの種 パラポネラ](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/11/74e2fe9830403adf06afe80a9bf351b4.jpg)
見た目のかっこよさを取るもよし、
面白い習性を取るもよし。
蟻マシーンで飼える好蟻性昆虫。
シロオビアリヅカコオロギ
![シロオビアリヅカコオロ](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2021/11/2faaf1a9d986128060bc3cc6dcdde0a1.jpg)