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奇奇怪怪の百貨戯典:隠したいけど本当はバレたい承認欲求論

Podcast番組「奇奇怪怪」のMONO NO AWARE・玉置周啓とDos Monos・TaiTanが、予算100円以内で売られている中古書を今この時代に読み返す連載の第28回。前回の「100円均一のクロックス犬と靴箱カバン論」を読む。

text & edit: Daiki Yamamoto

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TaiTan

周啓くんは街でファンに声をかけられるとうれしい?

周啓

ライブ後だったらうれしいけど、プライベートのときは嫌だなあ……。逆にうれしいタイミングってある?

TaiTan

あるでしょ、誰かと店で飯食ってるときとか。「こいつは店で声をかけられる側の人間なんだ」って思われるし。

周啓

誰に向けたアピールなんだよ。俺は声をかけられない人間の方が高尚だと思ってるからな。

たまにカメラ向けながら声をかけられたりすることもあるけど、敗北感を感じるよ。例えば俺じゃなくて米津玄師だったら、声をかけたり勝手に写真撮ったりはしないだろ。

TaiTan

なるほどね。今回は『文春にバレない密会の方法』という本ですが、「こんなに過剰に防衛する必要あるか?」って思うわけですよ。

周啓

まあ確かに終始バカバカしかったね。

TaiTan

おそらく本当にバレたくないわけじゃなくて「ここまで防衛しているのにバレるかもしれない」っていう状況そのものが密会を盛り上がらせているわけだ。

周啓

バレる瞬間を望んでいるんだろうね。

TaiTan

「本当はバレたくないけどバレたい」という周啓くんの精神構造が浮かび上がってくるよね。だから変なメガネを掛けたり変な髪形にしているわけだろう?街で誰かにバレたいという気持ちの表れだね。

周啓

いい加減にしろ。

TaiTan

承認欲求の化け物みたいだよ。

周啓

お前には言われたくないね。自分の名前が書かれた服着て歩いてるじゃん。

TaiTan

誰がゼッケン着用してるんだよ!

周啓

お前も、この本を面白がっている人間も、みんな本当はバレたいんだろ

TaiTan

面白がってる人間なんか5人くらいしかいないだろ!こんな本作るんじゃねえ!

キンマサタカ/文春にバレない密会の方法
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