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奇奇怪怪明解事典の百貨戯典:メッセージを持たない言葉の“現代詩”論

Podcast番組「奇奇怪怪明解事典」のMONO NO AWARE・玉置周啓とDos Monos・TaiTanが、予算100円以内で売られている中古書を今この時代に読み返す連載の第14回。前回の「人類の絶滅か、コオロギを食うのか?論」を読む。

text&edit: Daiki Yamamoto

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TaiTan

今日のテーマは「相田みつをから遠く離れて」です。都築響一『夜露死苦現代詩』を読んだわけですけども、周啓くんはどうでしたか?

周啓

巻末の、都築響一と谷川俊太郎の対談が良かったね。「詩とはメッセージではない」っていうのはすごく腑に落ちた。

TaiTan

あれは素晴らしかったね。この本で拾い上げている暴走族やラッパーによる“詩”を批判しているようにも読めるんだけど、谷川さんは「詩とはメッセージではなく言葉の存在感だと思っている」と。「目の前のコップと同じくらいそこに言葉を存在させたい」って言うんだよ。

周啓

ただそこにあることが美しい、と。暴走族の「夜露死苦」とかって自己表現の一つだし、そうなるとどうしてもメッセージが宿るからね。ただ一方で、アナウンサーの玉置宏さんの曲紹介を取り上げた章では「声はすぐに消えるから、その即興性が面白い」と書いていて。市井の人の声も詩になり得るんだ、っていうのは感じたね。

TaiTan

たしかに、谷川さんの言う“詩”は、「人間だもの」みたいなメッセージとは違うんだよ。市井の名もなき人の言葉を拾い上げたのはこの本の功績だよね。

周啓

こっちに向けられた言葉じゃなくて、そこにただ存在している言葉が美しい、っていうのは同意する。

TaiTan

最近『奇奇怪怪明解事典』にもさ、「昔は2人の話がどこにも向かってない感じが良かったのに、最近はリスナーを意識して笑ってる感じがして嫌だ」って批判コメントが来てたじゃん。一方で、その意見もちょっとわかるんだよ。

周啓

まあ、ミュートしたけどね。

TaiTan

これからも我々に対する批判コメントお待ちしております、ってことで今回の締めとしましょうか。

『夜露死苦現代詩』
『夜露死苦現代詩』

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