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星野源が選ぶ、今体験してほしい“ジャズ”プレイリスト

「ジャズは今、ジャンルの垣根を越えて増殖している」と星野源は言う。幼い頃からジャズに親しみ、現在のシーンを代表する音楽家たちとも交流を持つ彼に、おすすめのプレイリストを教えてもらった。ジャズとの関わりやその楽しみ方を教えてもらった記事はこちら

photo: Seishi Shirakawa / interior styling: Fumiko Sakuhara / styling: TEPPEI / hair & make: Yoshikazu Miyamoto / text: Yusuke Monma / prop cooperation: PROPS NOW, AWABEES, Compartment, KAKULULU, beatink

『オリジナル・ビッグ・フォア』オリジナル・ビッグ・フォア

中村八大、ジョージ川口、松本英彦、小野満により結成されたジャズバンド、ビッグ・フォアが解散後に再結集した1959年のアルバム。「このバンドを経て、中村八大さんが作曲した『上を向いて歩こう』は僕にはジャズに聞こえるんです」

『オリジナル・ビッグ・フォア』オリジナル・ビッグ・フォア

『Overseas』トミー・フラナガン

ジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズの名盤にも参加したピアニストが1957年に発表した初のリーダーアルバム。「ジャズがまだ退屈だった小さい頃に、このアルバムのドラムソロを聴いてワクワクしました。全体の質感やムードが好きです」

『Hard Groove』RHファクター

トランペット奏者のロイ・ハーグローヴが、ディアンジェロ、エリカ・バドゥらを迎えて制作した、現代ジャズの源流にある2003年のアルバム。「ハーグローヴは時代を変えたレジェンド。今もその遺伝子は多くのミュージシャンに受け継がれています」

『Study In Brown』クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ

「ジャズをあまり聴いたことのない人には収録曲『Cherokee』をおすすめします。抒情的なメロディ、速いビート、理屈抜きに楽しいです」。25歳で夭折したトランペッターと“歌うようなドラム”と称されたドラマーによる1955年のアルバム。

「Hell」クラウン・コア

正体はルイス・コールとサム・ゲンデルだと噂される、謎の覆面ユニットによるYouTube動画。仮設トイレでのセッション。「こういう映像から音楽に入る方が、今は入りやすいのかもしれません」

「『スーパーマリオブラザーズ』地上BGM」

日本では1985年に発売された人気ゲームの地上面BGM。「35周年のテーマソングとして『創造』を作った時、効果音を耳コピしてシンセで弾いたり、いっぱい研究しました。そこで作曲した任天堂の近藤浩治さんが、ジャズサックス奏者の渡辺貞夫さんに影響されて、この曲を作ったことを知って。だからか!と答え合わせができた感覚でした」

「Overtime」ノウワー

ルイス・コールとジェネヴィーヴ・アルターディのユニットが、一軒家でセッションするライブ動画。「ジャズを知ってる人にも、知らない人にも、ぜひ観てほしい動画。本当に楽しいと思います」

『Follow The Rainbow』ジョージ・デューク

ジャズ、フュージョン、ファンク、ソウルなど、ジャンルを股にかけて活躍したピアニスト兼作曲家、兼音楽プロデューサーによる1979年のアルバム。ダンス曲を多数収録。「こんなふうにジャンルを超えて活躍する人が僕は好きみたいです」

「Madvillainy Tribute」ドミ&JD・ベック

2000年代生まれの鍵盤奏者とドラマーによるデュオが、MFドゥーム&マッドリブの名盤にトリビュートを捧げたYouTube動画。「アルバムも聴いてほしいけど、デビュー前のこの動画も最高です」

『The Return of the 5000 Lb. Man』ローランド・カーク

サックス、フルート、トランペットをはじめ、複数の管楽器を同時に演奏することで人気を博した、盲目のミュージシャンのアルバム。1976年作。「彼の若い時のアルバムは、子供心にストイックすぎて怖かったです。でもこれだけは好きでしたね」

ジャズプレイリストまとめ