『ねじまき鳥クロニクル』第1部
僕はその隣の席に座ってスコッチのオンザロックを注文した。スコッチは何がよろしいでしょうかとバーテンダーが尋ね、カティーサークと僕は言った。
銘柄(めいがら)なんてべつになんだってよかったのだが、最初にカティーサークという名前が頭に浮かんだ。

「ウイスキーはカティーサーク」
蒸留所を巡ったエッセイ『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』も著し、ウイスキー好きとしても知られる村上春樹。小説内にもウイスキーはしばしば登場する。なかでも世界的に飲まれるブレンデッドのスコッチウイスキー「カティーサーク」は、本作や『1Q84』『ダンス・ダンス・ダンス』などにも登場。このシーンなら、迷わずずっしりとしたロックグラスで。