Drink

ハードリカーがある風景:真造圭伍が語るゲームとウイスキー

強いお酒は本当は優しい。だから特別な日も、なんでもない日も、ぐいっと飲み干したくなる。割ったり、ストレートでそのまま飲んだり、カクテルを楽しんだり。8者8様の暮らしを彩る、ハードリカーがある風景。

Illustration: Hiroki Muraoka / Text: Neo Iida

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『フォートナイト』と
ウイスキー

ウイスキーを飲むようになったのは、6年くらい前、高円寺に住むようになってからです。妻がお酒好きで、その影響で飲む機会が増えました。料理を作ったらビールかレモンサワー。

食べ終わったらコップ1杯か2杯くらい、ウイスキーをロックで飲む。コロナ禍で出歩けないから、カクテル作りにハマったこともあります。

YouTubeの解説動画を観ながらベルモットとドライジンをグラスに入れて、氷をくるくるやってマティーニを作ったりして。カクテルっぽい逆三角形のグラスを冷凍庫で冷やして、オリーブも入れて。ふわっと白い、雪国というカクテルも作りましたよ。でも揃えていたお酒が同時に全部なくなって、今はお休み。

最近は、寝る前に『フォートナイト』をしながらウイスキーを飲むのが最高のご褒美。

日中ずっとマンガを描いているので、夜のほんの1時間だけリセットしたくて。バトルロイヤルゲームだからプレー中は休めないんですけど、ロード中にサッと飲む。

グビグビっていうよりチビチビ。酔いが回ると同時にどんどん弱くなっていきます。よく飲むのはニッカですかね。ちょっといいのを飲みたいときは知多。マンガが重版したときは嬉しくて、4,000円のウイスキーを奮発しました。

おつまみを食べたくなったら、大体駄菓子。キャベツ太郎とかどんどん焼きを皿に開けておいて、バトルで余裕がないときはそのまま口だけで食べます。

Hiroki Muraoka イラスト

連載中の『ひらやすみ』にも、お酒のシーンが結構あります。ばーちゃんが作るかりん酒は、実際に僕の祖母が作っていたもの。

主人公のヒロトが友人のヒデキと訪れる阿佐ヶ谷の四文屋は、外に面した席で梅割りを飲むのが好き。食や酒は実体験が参考になってるので、飲み方も自然と投影されている気がします。

そう、ウイスキーの何がいいかって、寝る前に歯を磨かなくていいところ。梅酒や甘いお酒だとまた歯磨きしないといけないけど、おつまみさえ食べなければ、そのまま寝られるのがいいんですよね。

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