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ハードリカーがある風景:バーテンダー・赤坂真知が語るノンアルコール カクテル

強いお酒は本当は優しい。だから特別な日も、なんでもない日も、ぐいっと飲み干したくなる。割ったり、ストレートでそのまま飲んだり、カクテルを楽しんだり。8者8様の暮らしを彩る、ハードリカーがある風景。

Illustration: Hiroki Muraoka / Text: Neo Iida

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カクテル、その多層な世界

カクテルって面白いな、というところからお酒に興味を持ちました。3年くらい前ですかね。それまでは普通に居酒屋で飲んでました。

でもバーテンダーのソランさん(野村空人さん)との出会いから、創造的なカクテル・バーカルチャーに触れ、その面白さに魅了されました。

液体なのに口に含むとストロベリーチーズケーキの味がして、ちゃんとイチゴも、チーズも、ビスケットもいる。層が積み重なっていて、お酒の香りも立っている。そういう多層的なカクテルを、僕はノンアルコールで表現したいと思って、〈バーストロー〉の活動をしています。

お酒も好きなので、自宅ではジンをソーダとトニックウォーターで2:3:3で割った〝ソニック〟を作って飲みます。オリジン弁当を食べながらソニックを飲むの、嫌いじゃないです。

レモンサワーやハイボールも立派なカクテル。そこを入口に、ベースとなるハードリカーへの興味が広がるといいなと思っています。

例えばジンは、ジュニパーベリーという実を使って蒸留すれば、ベースとなるスピリッツは焼酎でも泡盛でも大丈夫、という自由なお酒です。そこにバラやハーブといった造り手が表現したいボタニカルな素材を組み合わせるからとてもナチュラル。

Hiroki Muraoka イラスト

僕が好きなのは、ディスティレリ・ド・パリという、パリ唯一の蒸留所が造るクラフトジン。フレグランスの考え方をもとにした、アロマが豊かなお酒です。実はカクテルの下には、自然に寄り添った世界が広がっているんです。

バーテンダーは、DJのように素材や歴史、文化をサンプリングして特別な一杯を作るクリエイティブな仕事。

ノンアルコールカクテルではハードリカー特有の重みが出しづらいけれど、香りで補うのか、味で補うのか、試行錯誤の中で新しいカクテルが生まれます。

バーカルチャーの裾野が広がり、ウイスキーやクラフトジンの魅力に触れる機会が広がってくれたら嬉しいです。

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