「今どきの髪形を考えれば、グリース、ワックス、オイルの3つの中から選ぶといいと思います。まず、頭皮に撫でつけるような七三分けやオールバックにはグリースですね。髪を動かさずに固めるフラットなデザインで、艶を出したい場合に最適です」。グリースとは水性ポマードのこと。日本人の直毛の毛質とは相性が良いそうで、水をつければ簡単に手で直せるというのもポイントだ。
「ニュアンスを出したいときはワックス。毛束を動かしホールドします。グリースとワックスにホールド力の差はないのですが、ワックスの方が軽いので、空気感のあるスタイルが作りやすい。あと、最近の傾向としては、より自然なヘアスタイルを好む人が多くなり、オイルを使う人が増えています」。
ツーブロックのセンターパートやウェス・アンダーソンのようなミディアムヘアにはオイル。髪の流れを生かしたスタイリングになるので、ナチュラルだが個性のある雰囲気を出せる。髪形は名刺代わり。良いスタイリングは、適したスタイリング剤から。
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〈Dr.Guru's Laboratory〉ワックス。通常のハードワックスはとにかく硬いので、チューブタイプは発明とのこと。手でのばすときは軟らかく、髪につけてからガチッと固まる。チューブだから手に取る際にも爪に入らない。たばこの臭いもつきにくい。80g 1,870円(ドクターグルズ ラボラトリー/Guru's Cut&Stand TEL:03-6412-8953)
〈Cool grease〉グリース。水性ポマードブームの火つけ役、阪本高生堂の〈クールグリース〉。1912年創業の老舗が作る水性ポマードは、ツヤ感の出やすさが圧倒的。水性だからスタイリングを直しやすいし、油性ポマードと違って、髪も洗い流しやすい。210g 1,870円(クールグリース/阪本高生堂 TEL:03-3269-6621)
ヘアスタイリング剤
Oil
Wax
Grease
ドライヤーを使ったスタイリングの基礎
ドライヤーでの乾かし方で、そのスタイリングはほぼ決まるのだそうだ。プロ仕様のドライヤーブランド、〈ノビー〉に聞いたところ、濡れた髪から始める場合は、「強めの熱風」「弱めの熱風」「冷風」という流れで、スタイリングイメージに近づけるように乾かすのが基本だとか。
乾かし方の肝は、最後の「冷風」。「弱めの熱風」でスタイリングのもとになる髪形を作ってから「冷風」を当てると、開いていたキューティクルが閉じるので、その髪形が固定される。髪にツヤも出る。スタイリング剤をつけたら完璧だ。また、髪形によってブローするときに気をつけることも変わるのだが、ショートヘアでもボリュームを出したいなら、下から風を当てて根元をふんわりと。
センターパートをコンパクトに仕上げたいのであれば、上から下に向かって風を当てて乾かせば、ボリュームが出にくい。意外と知らないスタイリングにおけるドライヤーの役割。ドライヤーはただ髪を乾かすものだと思っていた人も多いのではあるまいか。
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