Brutus Best Beauty by VOW-VOW:コームの正しい使い方

トップヘアスタイリストのTAKUさんが、これまでのキャリアの中で培ってきた目からウロコの裏技の中から、メンズスタイリングに活用できそうなプロダクトとテクニックや知識を特別に伝授します。

photo: Naoto Usami / edit: kontakt

コーム一本だけでどれだけのことができるか

自分が大切にしているクリエイティブコンセプトの一つにLess is more(少ないことは豊かなこと)という言葉があります。これは撮影現場でモデルさんにヘアスタイリングをする時にも通じています。

個人的には、いろいろな種類のプロダクトを使ったり、ガチガチに作り込んでいくようなヘアスタイリングよりも、シンプルさのなかにある独特の色気や強さを作る方が好みであり得意。そこで辿り着いた一つの考え方が、「コーム一本で何ができるだろう?」ということでした。

今考えるとちょっと極端なことをしてしまっていたかもしれません。だけども渡英したばかりの頃、雑誌の撮影などへは、スーツケースにヘア道具をたくさん入れて行くことをせず、身軽なリュックサックだけで行ったこともありましたし、あえてコームだけをポケットに入れて手ぶらで行ったこともありました。

たくさんの道具に頼ることなく、どこまでアイデアだけでクールなことができるのかと自分自身を試していたんだと思います。そんな理由もあってコームは特別な思い入れがあるアイテムの一つなんですね。

頭を小さく見せるためのスタイリングには欠かせない

コームを使う理由は明確です。それは頭が小さくなるというところにあります。コームは、基本的にスタイリングの際に使用する道具。

だからヘアブラシと異なり、本来単体で使うものではなく、ポマードやジェルなどのスタイリング剤と一緒に使うものです。スタイリング剤を手に直接つけるよりもコームを使った方が当然隙間は細かいので、整髪剤が髪全体かつ細部にまで行き渡る。

また頭に対して垂直にコームを立てて使っている人をよく見かけます。しかし正しい使い方は、頭の形に沿うように寝かせて髪の毛にテンションをしっかりかけながら、流していく。このようにすれば、10%ほど頭が小さくなるはずです。

ヘアスタイリストのTAKUが使用しているコーム
トップヘアスタイリストTAKUさんの私物のコームたち。サイズ感や歯の広さ、さらにはセルロイドから竹、象牙までと素材もさまざま。

手を汚さない。いい男が使う道具でもある

もう一つ僕がコームを使う理由があります。それは手を汚したくないから……。スタイリング剤をつける時も指に直接つけるのではなく、コームの端を使う。そして、ボリュームを抑えたいところに整髪剤をペタペタと塗っていく。毛先ではなく、しっかりと根元につけておくと、時間がたっても浮いてきちゃうようなこともほとんどありません。

根元から毛先にかけクシ目を入れ、髪を立体的にする。クシ目を平行に入れると几帳面な感じになるし、ちょっと下に入っていると優しい感じの印象になります。クシ目だけでもキャラクターになるんです。

このようにして上手に使うと手が汚れてしまうことはない。手を洗う必要がないのは快適ですし、クールだと思うんです。トイレの鏡の前で髪をベタベタ触って、そのあとに手を洗ってみたいなことはあまりスマートではありません。

ポケットコームをスーツの胸ポケットに忍ばせておいて、鏡の前でさっとクシ目を入れて、コームを胸ポケットに入れながらトイレを出ていく……。今よりも髪が長い時はそんなことをしていたのを思い出しました。

TAKU’S WAY TO USE COMB