植木屋 GREEN PLAZA 21(精華町/京都府)
“ボタニケーション”を図る町の植物店。
子供の頃から父が経営する園芸店を手伝い、植物の道へ進んだ名越正寿さんが店主。「植物はあるのが当たり前の空気みたいなものでした。上手な育て方のビッグデータは頭の中にある」。買い物はもちろん、名越さんとの会話を目当てに来店する人も多い理由はこれだ。
コンセプトは植物を通じてコミュニケーションを図る“ボタニケーション”だという。セレクトするのはドイツの生産農家から仕入れたティランジア、ビカクシダを中心に、多肉、蘭、シダ、観葉植物。「お客さんの好みは多様化してますが、逆に僕が欲しいものしか仕入れません。値段もね、自分が買いたいと思える値段にしてるんです。衝動買いしていただけるお値段ってことです(笑)」と潔い発言。
園芸屋たなか(尼崎/兵庫県)
掘り出し物との出会いに期待が膨らむ。
店主・田中正之さんが店を構えた36年前は園芸ブーム真っただ中。野菜苗を中心に花苗も扱う街の園芸店だった。ところが次第にエケベリアを中心とした多肉、多肉も含めたギャザリングへと関心が移り、現在ではその二本柱に。
店を切り盛りするのは田中さんと妻の京子さん。2人の人柄を映したような気取らなさが店に漂う。あちこちに置かれた珍奇植物は想像以上に充実しており、何より嬉しいのは手頃な値段設定。
「大きく儲けようなんて思ってないし、適正な値段をつけてるだけ。どんなものからでも植物に興味を持ってもらえるのは嬉しいことだから」という気持ちに和む。植物を手に入れるだけではない。わざわざ足を運びたいと思わせる存在だ。
DE LA PLANTA(神戸/兵庫県)
デザイナーが惚れ込んだビジュアル系植物。
店主の山田勢士さんは真鍮を素材にしたアクセサリーブランド〈CLAVE〉を手がけてきたデザイナー。ところがフラッグショップのディスプレイとして植物を置いたことがきっかけで、その魅力にどっぷりハマってしまったという。
「特にプセウドボンバックスが好きで」。ついには2015年に2号店として植物店を開店することとなったのだ。レトロビルの1階と2階。日当たりが抜群とはいえない空間をあえて選んだのは、マンションなど植物を手に入れた人が暮らす環境に近いからだという。
「市場やナーサリーからやってきた植物を、ここで慣らして送り出してあげることで長く楽しんでもらえるから」。好きが高じて店まで作った人の愛情を感じる一言だ。