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ギリシャ哲学って難しそう?入門におすすめのプラトン3冊

食わず嫌いカルチャーをはじめる。難しそう、古くさそう、クセが強そう。興味はあるけど、何かとハードルが高く、食わず嫌いしているカルチャーがある。一体どんな作品から入れば楽しめるのか、その面白さをよく知るプロたちに、はじめ方を聞いた。

text: Keisuke Kagiwada

教えてくれた人:納富信留(ギリシャ哲学研究者)

プラトンを読む。

2300年以上も昔、古代ギリシャで起こったギリシャ哲学。その代表格であるソクラテス、プラトン、アリストテレスといった名前は知っていても、読むまでには至らない人も多いだろう。

そこでギリシャ哲学を研究する納富信留さんにはじめ方を聞くと、「まずはプラトンがいいでしょう。ソクラテスはプラトンの著作によく登場したから有名なのであって本を残してませんし、アリストテレスは記述が論文的でやや難しいので」という答え。

「それにプラトンの著作はいずれも、大きく言えば“生きるとは?”が問われていて、現代人にも予備知識なしでストレートに響くところも多いんです。

例えば、『ソクラテスの弁明』では、ソクラテスが死刑判決を受ける裁判の様子が対話形式で描かれてますが、彼は“吟味のない生は生きるに値しない”と言います。

実際、彼は正義や人生についていろいろな人と議論を戦わせ、絶えず探求し続けました。今の私たちに重要なのも、何事に対してもすぐに答えを出そうとせず、吟味し続けること。
その点、プラトンの著作は一緒に考えてくれる最高の相手になるはずです」

入門におすすめの3冊。