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グルマン温故知新:三軒茶屋〈香辣里〉発酵、ハーブ、燻製で湖南料理の魅力を発信

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「中華サウスバウンド」。中国の料理と聞いて思い浮かぶのは、広東料理や四川料理、上海料理などだろう。だが、そのどれにも属さない中国料理店が話題だ。〈香辣里〉は中国南部の湖南料理に特化。この夏、中華は南方がキーワードに。

Photo: Naoki Tani / Text: Taketoshi Oonishi

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香辣里(三軒茶屋)

発酵、ハーブ、燻製で湖南料理の魅力を発信。

神田〈味坊〉を筆頭に、中国東北地方の料理で次々とヒットを飛ばす人気店オーナーの梁宝璋さん。今回系列5店目となる〈香辣里〉では、知られざる中国南部・湖南の魅力を発信する。

唐辛子を多用した料理が湖南の特徴の一つだが、味わいをもう一歩分析すると、辛さの先に際立つ特徴が見えてくる。魚や豆腐、唐辛子などを発酵させ旨味を増幅させる“発酵中華”、香菜やミントを多用する“ハーブ中華”、燻製干し肉「腊肉」に代表される“燻製中華”と、辛さと旨味や香りを巧みに組み合わせることが秀でた特徴だ。

発酵させた魚を蒸し煮にした名物の「臭魚」は、唐辛子を多用することで、スカッと突き抜ける辛さの後にじんわりと独特の香りと旨味が広がる。それがまた、中国紅茶を使ったオリジナルのバーボンカクテルなどと絶妙に合うのだ。

味わえば味わうだけ、発見の連続が楽しい湖南料理。味坊の快進撃はまだまだ続く。

三軒茶屋〈香辣里〉張鋒シェフ
北京のホテルで料理長を務めた張鋒シェフ。
三軒茶屋〈香辣里〉店内
三軒茶屋駅前の新築ビルだが、あえて田舎っぽさを残す空間デザインに。

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