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グルマン温故知新:清澄白河〈Wine & Cucina SIORI〉ひねりのある味にワインが進むイタリア酒場

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「清澄白河、ナチュラルワインではしご酒」。数年来、賑わいを増している東京イーストサイドでも、個人店の開業が相次ぎ注目を集める清澄白河。とりわけ、ナチュラルワインの店が増え続けている。使い勝手も居心地も抜群のベトナム料理などなど。はしご酒上等な距離もありがたや。

Photo: Naoki Tani / Text: Kei Sasaki

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Wine & Cucina SIORI(清澄白河)

ひねりのある味にワインが進むイタリア酒場。

店主の達城宗和さんは、江東区育ち。地元に老若男女が集える場所を、と開いた店は、オープンからわずか2ヵ月で、ご近所さんが営業時間前にふらり立ち話に寄るほど。名の通り、すでに「町のブックマーク(栞)」的存在になっている。

キャリアはイタリアン一筋。トラットリアからリストランテ、ワイン酒場と幅広い店で、調理もサービスも経験したが、店は「居酒屋にしたい」と達城さん。素材と調理法で和伊を行き来するつまみで、ワイン飲みのツボを突いてくる。焦がしバターで軽く火を入れたカツオのマリネは、いわく「洋風のタタキ」。

鶏肝の山椒煮は、馴染みの焼き鳥店の一品にヒントを得たというが、低温調理によるねっとりとした火入れはレストランの仕事だ。で、リモンチェッロのソーダ割りを「レモンサワー!」と注文できる気軽さ。カウンター越しのゲストとのやりとりで、グラス売りのワインをバンバン開けていくさまもグルーヴィだ。

清澄白河〈Wine&Cucina SIORI〉店主の達城宗和さん
エプロンにニットキャップ姿でカウンターに立つ達城さん。
清澄白河〈Wine&Cucina SIORI〉店内
元倉庫の物件。こぢんまりとしていても、天井が高く開放的。

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