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グルマン温故知新:赤羽橋〈une pincée〉ひたむきな人柄が伝わる、端正な料理を

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「商店街フレンチ」。町に根ざした銀座、新宿といった商業エリアだけでなく、商店街の一角に溶け込む地元密着型のフレンチが都営大江戸線沿線に登場。気取らずに訪れられる雰囲気で、くつろげるカウンター席がいい感じ。

Photo: Shin-ichi Yokoyama / Text: Haruka Koishihara

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une pincée(赤羽橋)

ひたむきな人柄が伝わる、端正な料理を。

東麻布商店会、通称「いーすと通り」の一角に小さなフレンチレストランが誕生したのは2019年の年の瀬。店内の様子がよく見える大きなガラスと、イギリスのアンティークの扉を組み合わせた入口が目印だ。

オーナーシェフの馬堀直也さんは理系の学校を卒業するも、フランス料理の世界に惹かれ、代官山〈マダム・トキ〉をはじめとする有名店で研鑽を積んだ。パリ郊外・フォンテーヌブローのレストランではジビエ料理を、その後ロンドンの星付きレストランではイノベーティブな表現も学んだ経歴の持ち主だ。

2016年から3年間、麻布十番〈カラペティバトゥバ!〉でシェフを務めた後、満を持しての独立開業。生まれも育ちも東京・大井町。同様に個人店が多く立ち並ぶこの街並みに親しみを覚えて、ここに決めたという。

フレンチの要であるソースを重んじつつ、オーセンティックな料理も軽やかに仕上げる。ゆったり、じっくり味わいたい。

赤羽橋〈une pincée〉オーナーシェフの馬堀直也さん
「師匠の教えは、とにかく丁寧に作ること」と、真摯な馬堀さん。
赤羽橋〈une pincée〉店内
「木・鉄・白」をお題に、デザイナーに依頼した空間。

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