Eat

Eat

食べる

グルマン温故知新:武蔵小山〈うなぎ串 梅星〉串焼き、煮込み、小皿つまみで、骨まで愛して

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「"尽くし"な立ち飲み」。ウナギを頭から骨まで味わえるウナギ串の店。立ち飲みながら、気軽さだけじゃない満足感が魅力。

Photo: Naoki Tani / Text: Kei Sasaki

連載一覧へ

うなぎ串 梅星(武蔵小山)

串焼き、煮込み、小皿つまみで、骨まで愛して。

武蔵小山に若い世代を呼び込んだネオ大衆酒場の先駆〈豚星〉が開いたウナギ串の店。文字通り「ウナギの寝床」的な空間に細い板を渡して、立ち飲みのカウンターに。飾りっ気ナシの空間に炭火の煙が立ち込めれば、古くからある店のような貫禄。名酒場と肩を並べ、町を飲み歩く客を惹きつけている。

「短尺」は腹側の身、「くりから」は背側、「八幡」は焼き鳥でいうところのねぎま。どれも¥300程度で、1本から注文できる。骨せんべいはもちろん、ウナギの酢の物や、頭で取っただしで煮込む「鰻アラ煮込み豆腐」など“一匹無駄なく”精神で作られたつまみは、一口サイズもちょうどよく、つい制覇しそうになるほど。赤唐辛子入り酎ハイ「金魚」など、ひねりの(アルコールも)効いた酒もいい。値段が高い、胃に重いと、専門店やうな重を遠ざけがちだった人こそぜひ。財布に優しく滋養豊かな庶民のごちそう、とちょい濃い酒。文句ナシ。

武蔵小山〈うなぎ串 梅星〉黒田直人さん
9年前〈豚星〉を立ち上げ、現在、〈梅星〉を切り盛りする黒田直人さん。
武蔵小山〈うなぎ串 梅星〉店内
皿2枚が縦に並ぶかどうかの幅狭カウンターが味。

連載一覧へ