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グルマン温故知新:船堀〈チェスト船堀〉あの手この手で、パンをもっとおいしく

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「"尽くし"な立ち飲み」。いろんな国産小麦で焼くパンをサンドウィッチやブルスケッタで味わえるパンとワインの店。立ち飲みながら、気軽さだけじゃない満足感が魅力。

Photo: Naoki Tani / Text: Kei Sasaki

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チェスト船堀(船堀)

あの手この手で、パンをもっとおいしく。

「ブルスケッタは寿司、サンドイッチは丼、煮込みとパンは定食だと思うんですよね」と聞いて、なるほど、と納得。13品前後のメニューのうち、10品近くがこのいずれか。「パンを食べて」という熱が伝わってくる。

〈パーラー江古田〉や〈清澄白河フジマル醸造所〉でパン作りとワイン、料理を学んだ西野文也さんが開いた“パン屋角打ち”。パンやワインの買い物だけでもオッケー、ブルスケッタをつまみに軽く一杯も、煮込みとワインでちゃんと食事もありだ。

5~6種の国産小麦をパンに合わせて使い分けているのもユニーク。福岡産ミナミノカオリのカンパーニュは甘味にミルキーさがあり、東京産の柳久保小麦のふすまパンは、クラストが醤油せんべいのよう。肉、卵、野菜の旨味をストレートに生かしたサンドイッチの具材や煮込みをガシッと受け止め、ワインが止まらなくなる。東京の東の端っこに、新しい人の流れを生む店になりそうだ。

船堀〈チェスト船堀〉西野文也さん
西野さん。「チェスト」は鹿児島弁で気合を入れる際の掛け声で〈パーラー江古田〉時代のあだ名。
船堀〈チェスト船堀〉店内
陳列台がカウンター。

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