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グルマン温故知新:江戸川橋〈TXOKO〉巨匠の下と名店を渡り歩き、辿り着いた自然の味

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「師弟関係」。イタ飯ブームの立役者であり、日本のイタリア料理界に影響を与えてきた山田宏巳シェフ。山田シェフの下で10年以上料理長として支え続けた関口晴朗シェフ。師弟関係の2人がこの春それぞれ出店。見え隠れするイズムと個性はぜひ、味比べで体験してほしい。

Photo: Keiko Nakajima / Text: Taketoshi Oonishi

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TXOKO(江戸川橋)

巨匠の下と名店を渡り歩き、辿り着いた自然の味。

90年代当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった〈リストランテ・ヒロ 青山〉の山田宏巳シェフに師事。その後、イタリアで2年、スペイン・サンセバスチャン〈ムガリッツ〉で2年半腕を磨いた関口晴朗さん。帰国後〈ヒロ〉に戻り、山田シェフの右腕として11年、共に歩んできた。

現在43歳。脂ののった料理人となった関口さんが一念発起し、江戸川橋で独立した。

「すべてがあって今の料理があります」と差し出されたのは、極めてシンプルな皿の数々。塩だけで調味したグリーンピースに、春の山菜・シドケのみのパスタ、飾り気のないチーズケーキと、一見質素にも見える料理にこそ、実は丁寧な仕事が潜む。

グリーンピースはさやで取っただしで豆を湯がき、チーズケーキはスフレのように火加減を微調整。素材の輪郭を際立たせるべく、手は加えているけど、どこまでもナチュラルな味。飾らない氏の人柄と美味への追求はそのまま料理で表現される。

江戸川橋〈TXOKO〉関口晴朗さん
「地元の人にも愛される店にしていきたい」とシェフの関口さん。
江戸川橋〈TXOKO〉店内
延べ100軒近くの物件を内見し、巡り合ったという空間。

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