TU DÉCONNES（代々木上原）
自由度高め&フレンドリーなワインバー
2018年、松濤（しょうとう）の住宅街にオープンするや、パリのビストロのような空気感と、食材を自由闊達（かったつ）に組み合わせ彩りも美しく仕上げる料理で評判となった〈Sans Déconner〉。
オーナーシェフの渋谷将之さんはコースメニューで自身の世界を表現してきたが、このたび代々木上原に新たに開いた〈TU DÉCONNES〉は、レストランではなく「Bar à vin（ワインバー）」というスタイルを標榜し、アラカルトに。
「マグロとフランボワーズのタルタル」細かく切ったマグロの赤身に、フランボワーズのマリネ、皮をむいて軽く火を入れた赤ピーマンのみじん切りを混ぜ合わせ、赤系統の色合いで統一された美しいタルタル仕立てに。味と食感の両面のアクセントとなっているのは、粒マスタード。仕上げにエシャロットの酢漬けをあしらって。1,900円。 
「うすい豆と新じゃがいものヴルーテ」とろりとしたポタージュ状に仕上げた新ジャガに、グリーンピース、新タマネギ、アンチョビ、ネギマヨネーズなどを合わせた、爽やかな色彩の一品。ハーブオイルと真空調理したレタスの瑞々しさも印象的だ。1,600円。 
「ジャンボン トンナート」肩ロース肉を使った自家製ハムは旨味を湛え、しっとりとした仕上がり。ツナを使ったトンナートソースはイタリア・ピエモンテの郷土料理だが、フランスでもポピュラーなもの。ケイパーを添えるのがお約束だ。1,600円。
「小さめポーションのタパスなので自由にシェアを。また、ミックスして食べても重層的に楽しめる味にしてあるから、一緒に口に入れても面白いですよ」とは、シェフを務める柿澤孝光さん。同じ代々木上原にある〈MAISON CINQUANTECINQ〉で腕を振るった後、〈Sans Déconner〉を経て、ここに立つ。
色彩の美しさとグラフィカルな盛り付け、酸味を大切にした本店譲りの軽快な料理をぐっと気軽に。豊富なグラスワインとのペアリングで楽しさが深まる。
料理を一手に担う柿澤さん。 
〈Sans Déconner〉の鮮やかなグリーンに対して、こちらはスカイブルーのファサード。
