TOKi(新橋)
奈良食材で作るモダンスパニッシュを東京から。
奈良を拠点に日本のモダンスパニッシュを牽引してきた〈アコルドゥ〉川島宙シェフが東京に拠点を構えた。これまで培ってきた「奈良×スペイン」の食を「東京」のフィルターを通じ、より広く発信するのが狙いだ。
料理は昼夜ともコースのみ。大和野菜や吉野の山で獲れる鹿など、派手さはないが、土地の雄大さを感じさせる奈良の食材が全皿に。厨房を仕切るのは、フランス・バスク地方で修業時代を過ごし、日本橋〈サン・パウ〉(現在は永田町)でも活躍した長谷川豊シェフ。主たる食材で味の軸を作り、タイムで香りづけした氷を雪に見立てたり、大和茶で作るソースで春の芽吹きを表現したりと、皿の上に四季折々の奈良の情景を描き出す。クラシックもモダンも知る仕事は、説得力抜群だ。
銀座も徒歩圏内、しつらえもゴージャスだが、エントランスにはバルを併設。奈良、東京、スペイン、3つの土地をつなぐ場は、日常にも開かれている。