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グルマン温故知新:市ケ谷〈Tinc gana〉スペインの今を伝えるレストラン

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「モダンスパニッシュ」。日本のスペイン料理を革新するカウンター主体、モダンかつカジュアルなレストラン。日本のモダンスパニッシュ界を牽引してきたフランス人シェフが、厨房に立つ。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Kei Sasaki

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Tinc gana(市ケ谷)

スペインの今を伝えるレストラン

日本のガストロノミー界の最前線で長きにわたり、活躍し続ける外国人料理人の一人、ジェローム・キルボフシェフ。バルセロナでミシュラン3ツ星を獲得した〈サン・パウ〉(現在は閉店)で腕を振るい、2006年の東京出店に尽力。2つの店でエグゼクティブシェフを務め、日本のレストランが世界から注目を集める足掛かりを作った。

新たに開いたこちらは、カウンター主体の肩肘張らない店。ワールドクラスのクリエイションを、ランチなら6皿6,500円のコースから体験できる。

とびきりのハモン・イベリコ・ベジョータを楽しませるアミューズから、スペイン産のオリーブオイルを効かせた前菜、重層的なソースの肉料理。仕立てはモダンだが、味わいは旨さ直球のクラシックだ。

燦然たる経歴とは良い意味でギャップのあるエンターテイナー気質、サービス精神にもカウンターが沸く。日本とスペインの食を熟知するベテランの、次なる発信に注目。

市ケ谷〈Tinc gana〉のジェローム・キルボフシェフ
ジェロームシェフ。各国のトップシェフとも親交あり。
市ケ谷〈Tinc gana〉の店内
ライブ感溢れる厨房。店名は「お腹空いた」の意のカタルーニャ語。

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