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グルマン温故知新:神田〈The Blind Donkey〉日本でオーガニックをスタンダードに

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「日本を発信する店」。カルフォルニアのスローフードの先駆店で活躍したシェフ。着目したのは日本の食文化の豊かさ。信頼できるパートナーを得て、レストランシーンをアップデート。

Photo: Naoki Tani / Text: Kei Sasaki

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The Blind Donkey(神田)

日本でオーガニックをスタンダードに。

全米におけるスローフードの先駆店〈シェ・パニース〉の元シェフ、ジェローム・ワーグさんが、東京に拠点を移す。レストランフリークを沸かせたニュースから1年余り、待望の新店がお目見えした。

ジェロームさんがパートナーに選んだのは、毎年研修で同店を訪れていた目黒〈ビアード〉(現在は閉店)店主の原川慎一郎さん。2人の店作りは1年がかりの産地探訪から始まった。環境に配慮した仕事を続ける生産者と繋がり、産地と一体になって日本の食全体をオーガニックに近づける。

〈シェ・パニース〉が歩んできた道を、日本で辿る意気込みだ。「種類豊富な柑橘に、高品質な調味料の数々。日本の食材は素晴らしい」と、ジェロームさん。柑橘の酸が素材の味を際立たせるサラダや、ゴマ油の香味が効いたスープなど、¥8,000のコース一皿一皿に、発見が投影されている。軽く飲んでつまめるバーも併設。町に、多くの人に開かれた店だ。

神田〈TheBlindDonkey〉ジェローム・ワーグさん(手前)、サービス担当の原川慎一郎さん(奥)。
手前がジェロームさん、奥がこの店ではサービス担当の原川さん。
神田〈TheBlindDonkey〉店内
元製薬会社の倉庫。内装は〈スタジオ・ドーナツ〉が担当。

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