鮨 一喜(千歳船橋)
ちょっとした贅沢気分が味わえる庶民派寿司
高級店にも引けを取らぬネタに割烹級の料理、居酒屋ばりの日本酒の品揃え。¥10,000でお釣りが来る月2で通いたい新店だ。
店主は〈駒形どぜう〉、銀座の寿司店で腕を磨いた喜代永隆文さん。コースは前菜に始まり、握りの合間に料理を挟む構成だ。米は宮城米東北194号と新潟産みずほの輝きをブレンドし、赤酢のシャリに。「魚と一体になった時のおいしさを実感してほしくて」と、最初に酢飯の握りを食べさせるのも目新しい。
旬の白身魚からスタートし、前半の山場は〈やま幸〉から仕入れる青森・大間の大トロ。酒肴のあんを添えたプレーンな茶碗蒸しは2時間かけただしを飲ませる中椀をイメージしたもの。後半はきりりと締めたコハダ、火入れがいいエビ、濃厚なウニ。しっかり味を入れてタレを控えたアナゴ、甘くて旨いかんぴょう巻き。
目利きよし、仕込みよし。「寿司の魅力を知ってもらうきっかけの店になれたら」と心意気もよしの三拍子が揃う。