そばと酒 えもり(代々木八幡)
野菜中心のつまみと山形の地酒と。
20代の頃、語学留学で訪れたカナダで飲食の仕事を始め「まかないがパンはキツい」と、和食を選んだという逸話がユニーク。DNAにだしと味噌、醤油の味が刻まれた、米どころ山形県出身の榎森俊司さん。都内の有名和食店で修業後、一度は幡ヶ谷に小さな酒場を開いたが、いつか故郷で店をやるために「もう一つ武器を」と、蕎麦の道へ。
銀座〈手打ち蕎麦 成冨〉に勤め、同世代の職人たちとも交流。自家製粉の十割蕎麦は、つるっとした喉越しありき。後から繊細な香りが立つ。
夜はコースが基本。野菜餡をかけた蕎麦豆腐に始まり、酒肴、椀もの、練りたての蕎麦がき、野菜天などが7~8皿続き、蕎麦2種で締めて¥4,000。野菜いろいろ、季節感があり、食べ疲れしない。日本酒の品揃えは、専門店並み。山形の地酒を軸に、西日本のスター蔵の酒も。一見控えめ、でも経歴も仕事もキャラ立ちしている榎森さん。人を呼ぶ店になりそう。