Eat

Eat

食べる

グルマン温故知新:馬車道〈SMAAK〉オランダ×日本の食材で紡ぐ、新しい美味

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「ハマのガストロ」。西欧各国で活躍するオランダ人シェフが次なる拠点に選んだのは、アジア、日本、横浜。知られざる料理をフレンドリーなスタイルで。日本のガストロノミーの新章がここに。

photo: Naoki Tani / text: Kei Sasaki

連載一覧へ

SMAAK(馬車道)

オランダ×日本の食材で紡ぐ、新しい美味

窓から見下ろす“ザ・横浜”な景色はゴージャス。一方、木を多用した設(しつら)えは、明るく肩肘張らない雰囲気だ。オランダの3ツ星〈De Leest〉(現在は閉店)を筆頭に西欧各国で活躍してきたヤコブ・ヤン・ボエルマシェフが手がけるアジア初のレストランが馬車道にオープン。

日本人にとっては食のイメージが薄いオランダだが、豊かな自然に恵まれた農業大国。ヤコブシェフの料理も、野菜の表現が光る。一つの野菜をムースやゼリー、パウダーなどに展開し、オランダでポピュラーなスパイス、ヴァドゥーヴァンや味噌、だしの風味を掛け合わせ、蘭和が溶け合う一皿に。ドイツや東欧諸国を中心とした冷涼産地のワインを推すペアリングも面白く、透明感のある味が相乗する。

海風と国際色豊かな空気に惹かれ横浜を選んだというヤコブシェフ。共に古くからの交易拠点、異文化を取り入れ発展してきたオランダと横浜の気風は、なるほど相性がよさそうだ。

馬車道〈SMAAK〉シェフのヤコブ・ヤン・ボエルマさん
四季があり、山と海に育まれる日本の食材に惚れ込み出店を決めたヤコブシェフ。
馬車道〈SMAAK〉店内
横浜の景色を借景に、昼夜で表情が変わる。

連載一覧へ