白金 芯（白金高輪）
佳肴、美酒、憩える空間で、存分に和を味わう
まずは5品のおまかせコース11,000円からスタート。季節を満喫する酒肴を味わいつつ飲んで、コースのみでさらりと終了してもよし、そのあと、アラカルトの中から好みの料理を注文してもよし。和食初心者から食通まで、大満足の質の高い料理でもてなしてくれる。日本酒、ナチュラルワインなども充実。
秋刀魚と松茸の土鍋ご飯
蓋を開けるとフワッとマツタケの香り。薄味のご飯の上に、これでもかとマツタケが満載。その上には焼きたてのサンマのタレ焼きが。上には小ネギがたっぷり。米は新潟産新之助。全体をよく混ぜていただく。なるほど、マツタケは香りを楽しむものだとわかる。2〜3人前6,000円。余ったご飯はおむすびに。
鴨の炭火焼き 香茸添え
平飼いで育った合鴨「あいち鴨」は、脂の融点が低く、特別な旨味あり。それを炭火で焼き上げ、醬油と酒で煮てとろみをつけたコウタケの上にのせて。熟成させた甘いジャガイモ「きたあかり」を添えて。コースの一品。
海老しんじょうと栗の渋皮煮の椀
エビのすり身と卵黄を混ぜ、小さく切った車エビも加えて作ったしんじょうを、利尻昆布（一等）と2種類のカツオ節でとったしみじみおいしいだしでいただく。菊の花を散らし、栗の渋皮煮をのせて。コースの一品。
コースは月替わり。例えば、茶碗蒸し、お造り3品、お椀、揚げ物、肉料理といった内容。中でも店主・前田亮さんが注力するのは、和食の真髄ともいうべき椀もの。上品な旨味と深い味わい、余韻までを考えて昆布やカツオ節を選び、だしをひく。
前田さんは京都で10年料理をみっちり修業。銀座でも学び、さらに恵比寿〈創和堂〉料理長を経て独立。何を注文しても安心のキャリアである。カウンターならではのさりげない接客は、祗園で接したお姐さん方からの薫陶のおかげとか。〈創和堂〉同様、ここも看板なし。鉄の扉だけが目印だ。
炭火でサンマを焼く前田さん。何をするにも動きにムダがない。 
彫刻家に彫ってもらったという有機的な曲線のカウンター。
