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グルマン温故知新:銀座〈せろ〉メルボルン仕込みのアレンジが冴える新和食

テーマごとにレストランを紹介するブルータスの人気連載。今回のテーマは「コリドー街ゆく店くる店」。有楽町から新橋に続く高架下一帯のコリドー街は、今やナンパの新名所(?)。界隈のお盛んムードを横目に、袋小路にひっそり看板を揚げた和食店。場所柄をわきまえる大人のために推薦したい1軒。

Photo: Kanako Nakamure / Text: Mamiko Kume

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せろ(銀座)

メルボルン仕込みのアレンジが冴える新和食。

思い描いたのは「10席前後の2人でやれる店」。縁あってコリドー街の袋小路に自店を構えるも、店主の伊藤憲二さんは「このエリアで遊ぶような若い人はうちの店には来ないと思って(笑)。当初は看板を出すつもりもなかった」と無欲なマインドの持ち主。海外志向が強く、メルボルンのモダン・オーストラリア料理〈タクシー・ダイニング・ルーム〉で経験を重ね、帰国。人気店〈可不可〉で腕を磨き、オープンに至った次第だ。

20代までコテコテの和食で腕を磨いただけに、和に軸足を置きつつ、海の向こうで体得した洋のアレンジがこの店らしい。例えば、新鮮なアイナメの刺し身には、昆布と太白ゴマ油を合わせたソースを。白イカの炊き込みご飯なら、フィッシュストックのだしを効かせて、という具合。その逆で、蝦夷鹿のローストはフレンチのように見えてどこか和テイストだから面白い。

ベテランらしい引き出しの多さに深掘りしたくもなる。

銀座〈せろ〉店主の伊藤憲二さん
岐阜県出身。大阪・京都の和食で研鑽を積んだ伊藤さん。
銀座〈せろ〉店内
オープンキッチンに大テーブルを採用した臨場感のある店内。

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