関飯店(中野)
発酵調味料でワインに寄せる、夫婦中華。
関達也さんは、新宿のヒルトン東京〈王朝〉出身。妻・亜友美さんの実家で、中野駅北口で50年以上続く洋食店を改装、この店をオープンした。「量が多く、値段もそこそこする中国料理のイメージを払拭して間口を広げたい」と意気込む。
メニューはアラカルトで麺・飯は3品に絞り込み、本日のおすすめや一品料理推し。食材も調味料も引き算でアレンジし、ナチュラルワインを合わせておいしさを完結させるスタイルだ。
例えば定番のエビチリは、トマトを熟成発酵させた紅酸で優しい酸味と深みのある旨味でまとめ、軽やかな仕上がりに。よだれ鶏にしてもオリジナルの醬で香ばしさを狙い、辛味がまろやかな四川だれで食べさせる。
発酵パイナップル醬や新ショウガの泡菜と発酵食品を駆使する料理は塩味が柔らか。素材感が直に伝わり、ワインにもピタリとハマる。一流ホテル仕込みの料理がほぼ¥1,000以下なんて、ミラクルと言っていい。